「ゆるブラック」の正体と、隠された「無理したい欲」
現代社会では、残業が少ない、自由度が高いといった「ゆるブラック」と呼ばれる職場が増えています。一見働きやすそうに見えるこれらの環境ですが、実は「このままでいいのか?」という漠然とした不安や、「仕事を通じたやりがいや成長を感じにくい」というモヤモヤを抱える生活者が少なくないことが指摘されています。
リクルートワークス研究所の調査によると、「このまま所属する会社の仕事をしていても成長できないと感じる」と回答した人は35.0%、「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる」と回答した人は48.9%にものぼり、自己成長や未来への不安がうかがえます。また、ツムラの調査では、新社会人のうち67.4%が「負荷が低すぎてやりがいを感じられない職場は嫌だ」と回答しており、甘やかされる・ゆるすぎる職場は望んでいないことも明らかになりました。
「プチブラック」で自己効力感を取り戻す推し活のススメ
QOのプランナーは、これらの生活者動向から「過度な厳しさは不要だけど、ぬるま湯では物足りない」という本音を読み解き、「自己効力感を取り戻す“プチ”ブラックな選択肢」を求めていると見立てています。これは、充実感や達成感を求め、自ら納得できる範囲での“ちょうどいい負荷”を求める心理を表していると言えるでしょう。

実際に、短期集中型のスキル習得ブートキャンプや、キャリア支援サービス「SHElikes」が会員数20万人を突破した事例などからも、自ら納得できる環境で挑戦しようとする動きが広がっていることがうかがえます。
今回の見立てについてQOが実施した検証調査では、学生やZ世代からの評価が特に高く、共感度は学生で59.4%、Z世代で53.0%でした。
自由回答には、「このままで大丈夫かという漠然とした不安と、かといって昭和的な厳しさは嫌だという狭間にいる。ちょうどいいしんどさを自分も求めている」(25歳女性)、「日常生活を送っている中でたまに自分でも感じていた『もう少しだけ厳しくてもいい』、『もう少しだけメリハリがあって欲しい』といった漠然とした感覚のことを上手く説明してくれている文章だと思った。その例え方が『“プチブラック”』なのもすごく的を得た例え方だと思った」(22歳男性)といった共感の声が寄せられています。

担当プランナーは、「社会のホワイト化が進む一方で、どこか物足りなさや手応えのなさを感じる生活者が増えている」とコメントし、「生活者は、かつてのような理不尽なブラックさを望んでいるわけではない。しかし、ぬるま湯のままでもいたくない。自ら納得できる範囲の『少しの無理』をさせてくれるような、“プチブラック”な選択肢を求めることで、充実感や達成感を得たいと考えているのではないか」と語っています。
副業ファンへのメッセージ
この「プチブラック」な選択肢は、まさに副業ファンが自身のスキルアップやキャリアチェンジを目指す上で、積極的に取り入れたい考え方ではないでしょうか。自分のペースで、納得できる「ちょっとだけ無理」を積み重ねることで、確かな自己成長と達成感を手に入れられるはずです。今回の「見立て」を参考に、皆さんの「推し活」をさらに充実させるヒントを見つけてみてください。
レポート詳細と関連情報
本レポートの詳細は、以下のリンクからご覧いただけます。
また、QO公式noteでは「生活者見立て通信 編集部こぼれ話」を公開しており、プランナーの思考過程や「見立て」をつくるコツなどがざっくばらんに紹介されています。過去のテーマも含め、QOプランナー独自の「見立て」をレポート形式で解説したアーカイブは、サイト「MITATE Insight Lens」でもご覧いただけます。

参照情報
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1 出典:アデコ株式会社、LHH『ゆるブラック企業とは? 特徴・問題点・改善する方法を紹介』
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2 出典: 株式会社 プレジデント社、PRESIDENT Online、2023年『会社は好きだけど、このままここにいるとヤバい…居心地のいい「ゆるい職場」からどんどん若者が消える理由』中央公論新社、2022年『ゆるい職場―若者の不安の知られざる理由』(古屋星斗(著))
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3 出典: 株式会社ツムラ、2024年『働くことと不調に関する意識調査』
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4 出典:ビズメイツ株式会社、2025年『英語に“浸かる”2日間─日本語禁止の対面・没入型プログラムを年末開催』



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